九州新幹線の利用率向上に向けた提言

 九州新幹線の利用率が低迷しているという。特に各駅停車の「つばめ」が顕著であるという。そこでJR九州は、活性化のために規格切符の発行を検討しているという。
 九州新幹線の利用率が低迷する原因の1つに割高な新幹線特急料金が挙げられる。博多〜熊本間の自由席特急券は、B特急料金が適用されていたこともあり、1,370円であった。それが現在では、博多〜熊本間は約115kmであるにも関らず、自由席であっても3,000円を超える。比較のために他の路線を出すが、名古屋〜京都間は約140kmであるが、自由席の新幹線特急料金は2,400円程度である。
 以上の理由から、九州内の新幹線特急料金自体が割高である。さらに九州新幹線の利用を低迷させる要因として、博多で特急料金が細切れになる点である。東海道・山陽新幹線部分の特急料金にプラス九州新幹線の特急料金をプラスしなければならず、利用者には相当な負担になる。特急料金だけでなく、グリーン料金や指定席料金も同様である。さらに国鉄時代から継承されていた新幹線と在来線特急を乗り継ぐ際の乗り継ぎ割引が、2011年3月の九州新幹線全通時に廃止されてしまったことも挙げられる。
 筆者は、以前、ブログで「軽微認可」の問題点を取り上げ、九州新幹線の特急料金の取扱上の問題点に触れた。国土交通省は、「会社が異なるために全く問題が無い」と如何にも官僚的な発想で利用者のことは全く考えていない。
 運賃や料金などの制度は、本来ならば利用者に優位に設定するべきであり、JR九州が企画乗車券を設定して割高感を解消しようとする考えは理解できるが、それよりも博多で細切れとなる現在の特急料金、グリーン料金、指定席料金制度を距離による通算制として、利用者に負担を掛けないように改めるべきだろう。また新幹線と在来線特急の乗り継ぎ割り引きも復活させ、利用者の負担を少しでも改善するようにして欲しい。