ツアー会社が業務停止に

4/29の未明に関越自動車道で、ツアーバスの大惨事が発生したが、乗客を募集した大阪府豊中市に本社を構える「ハーベストホールディングス」に対し観光庁は、旅行業法に基づき業務停止の処分を下すことを決めた。業務停止は、旅行業法に基づく行政処分の中では「取り消し」についで重い処分であるという。業務停止処分では、最長が6カ月となっているが、停止期間などに関しては観光庁が、違反の内容を詳しく調べた後、決定するようにしている。
 ハーベストホールディングスは、乗客を募集する際にバスの運行委託先である「陸援隊」であるという旨を知らせてないかった。これは明らかに旅行業法違反であり、それ以外に複数の法令違反が確認されている。
 まずこの段階で、「陸援隊」とパンフレットなどに明記出来ないということは、陸援隊の社会的な信用がないためであり、そのような会社に運行委託した責任が問われる。また利用者も、「何処が運行するのか。事業者名を教えてくれ」という旨を確認すべきだろう。
 ツアーバスという形態における力関係は、旅行会社が最も力が強く、下請であるバス会社に絶えず、値下げの圧力を掛けている。バス会社は、たとえ不採算であったとしても、車両の減価償却費や車庫代(固定資産)、一般管理費などの固定費を賄わなければならないため、渋々ではあるが委託を引き受けている。
 そうなるとバス会社も、運転手の人経費を下げるため、日雇いの運転手を採用したりする。その場合、健康保険などはもちろんであるが、健康診断させ受けさせていないケースもある。
 つまりツアーバス業界の力関係は、旅行会社>バス会社>運転手となっている。
 最も立場の弱い運転手に、しわ寄せが行く仕組みになっている。
 ハーベストホールディングスは、旅行業法違反で業務停止処分になっているが、陸援隊へ業務を委託する際の、要求した金額なども問題視されなければならない。陸援隊の社長は、事故の責任と名義貸しなどの件で逮捕されているが、ハーベストホールディングスが不当に低廉な価格を要求したとなれば、今回の事故に関しては、大きな責任の一端がある。
 現在の規制緩和に関しては、行き過ぎている感じがあり、昔のようにバス事業者が自社でバスを所要して「路線バス」として、運行を行うように改めるべきだろう。

↓ツアーバスの問題点も論じています。
ブルートレイン誕生50年
http://www.klasse.co.jp/