格安ツアーバスと比較して快適だったJR中国バス

 先日の三江線のシンポジュームに参加する際、往復とも神戸〜出雲市駅間でJR中国バスを利用した。車両は、ハイデッカー車であり、座席は1-1-1の独立横3列で、車内にはトイレも完備されていた。運賃は往復で8,880円であり、高速バス事業者のバスは、運賃が通年一定である上、往復割引が適用されるため、往復で利用するとツアーバスと価格面で差が無くなる。ましてや金曜日や土曜日であれば、ツアーバスの運賃も値上がりするため、高速バス事業者のバスを利用する価値は高くなる。
 JR中国バスの運転手さんの対応やサービスであるが、ツアーバスとの根本的な違いは、先ず自分の所属している会社名と自分の名前をはっきりと名乗ることである。そして降車時には、「ありがとうございます」とお礼の言葉がある。
 これがツアーバスであれば、運行を下請けや孫請けに委託しているため、会社名(下請事業者名)や運転手の指名を名乗らないことが多い上、降車時にもトランクの荷物を外に出しておくだけで、お礼の言葉も無い場合が多い。
 ツアーバスの場合、運行を下請けや孫請けに委託している。委託を受けた事業者は、バスを運行するか否かに関わらず固定資産税、減価償却費、一般管理費、事務所の光熱費などは負担しなければならない。このような固定費を賄うためには、少々の赤字であってもバスの運行委託を引き受けざるを得ない。それゆえツアーバスの運転手は、無愛想で「運んでやっている」という態度が表面に出てしまう。
 JR中国バスは座席に毛布もあり、冷房が強いと思った時はそれを使えば良いのだが、トイレ完備のためか途中で休憩が一切ないため、利用者は事前に食料などを購入して乗車する必要がある。その代わり、睡眠を邪魔されることはない。1人乗務であるが、運転手さんは途中のサービスエリアで停車中に、仮眠室で仮眠を取っている。
 ツアーバスは、トイレ完備であっても2〜3時間毎にトイレ休憩があり、熟睡出来ないが、サービスエリアで買い物ができる。
 「ツアーバスは安い」という思い込みが強いようであるが、週末などは運賃が高くなる上、往復割引などはない。その上、事故に遭遇する確率が高いことなどを加味して考えると、既存の高速バス事業者のバスを利用した方が良いと言える。