臨時急行「きたぐに」は盛況でした

 先日、新潟から大阪まで臨時急行「きたぐに」に乗車した。1年前は、A寝台車も連結されて定期列車として走っていたため、多客臨への格下げは正直言って寂しいが、583系電車が頑張っている姿に敬意を表して乗車した。
 今回は、新潟〜柏崎までは100km未満であるため、珍車となったサロ581に乗車した。オリジナルのサロ581はべネシャンブラインドが備わっていたが、現在は厚手のカーテンになっている。但しレースのカーテンは備わっていないが、特に困ることはなかった。座席は2−2の横4列配置であるが、「スーパーくろしお」のパノラマカーで使用された座席に交換されているため、座り心地は悪くなかった。肘掛内臓のテーブルも、国際線のビジネスクラスのように広げて使用することが出来るため、使い勝手が良い。寝台車とは異なり、天井が高いために圧迫感はない。
 JR東日本のグリーン料金は他社よりも若干ではあるが割安であり、「スーパーあずさ」のE351系255系グリーン車よりもグレードが高い。E351系255系グリーン車のグレードアップを望みたいところである。
 ただ大阪まで行く人もいる上、大阪まで利用すると寝台車と価格面で大差が無くなる。そのため定員48名に対し、12名しか乗客がいなかった。やはり毛布と歯ブラシ程度は、備え付けても良いだろう。
 柏崎〜大阪間は、B寝台車下段を利用する。以前の下段は、寝台幅はA寝台車と同じであったが、布団の幅はB寝台車と同じであったが、今ではA寝台車と同じ幅の広い布団が敷かれている。浴衣も備わっているため、いくら高速バスがデラックス化したといっても、寝心地では寝台車には叶わない。天井は低いが、車窓の雪を見ながら新潟で購入した日本酒で雪見酒をする。これは最高の気分である。新幹線でも雪見酒は出来るが、窓が広くない上、効率重視のために優雅な気分にはならない。寝台車の窓からの雪見酒ほど、優雅で幸せな気分になれる交通手段はない。
 583系電車は防音性に優れており、かつ14系・24系客車のように発車・停車時の不快な前後の動揺や振動がない。そのため熟睡できる。筆者も大津到着前の鉄道唱歌のオルゴールで目覚めた。最近は電子音のチャイムが持て囃されているが、鉄道唱歌のオルゴールは最高である。
 国鉄時代は、電車は鉄道唱歌と決まっていた。かつては極普通であったが、今では非常に懐かしいメロディーになってしまった。筆者も何時まで、これが聞けるのかと思ったりする。「きたぐに」の寝台車は、上段の一部を除いてほぼ埋まっており、今後は多客臨から土日・祝日に運転する季節臨に格上げても良さそうである。
 583系急行「きたぐに」がGWにも運転されることを願いたい。