銚子電鉄の「ぬれ煎餅」を中心とした食品事業

 銚子電鉄と言えば、今では「ぬれ煎餅」に代表されるように食品事業が会社の屋台骨になっている。ぬれ煎餅は、素焼きした煎餅を出し汁に数十秒潜らせて製造する銚子に伝わる伝統的な煎餅である。
 普通の煎餅とは異なり、湿ったような食感が特徴であるが、大手菓子メーカーが製造するぬれ煎餅は、食べやすいように薄焼きの素焼きの煎餅に、だし汁を吹きかけて製造されていることが多く、味も女性や子供でも食べやすいように甘目になっている。
 但しあれはぬれ煎餅の本来の姿や味ではない。オリジナルは、銚子電鉄などが製造する煎餅である。
 「塩分がきつい」という人には薄味もあるが、緑茶と一緒に食べると塩辛さが緩和され、醤油の香りが口に広がる。
 銚子電鉄の煎餅に使う米は国産米であり、醤油は銚子にあるヤマサ醤油を使用しているため、原材料は純国産である。

 筆者は、銚子を訪問した際、ぬれ煎餅よりもいわしの佃煮を購入することにしている。銚子電鉄がいわしや鰹、サンマの佃煮を販売しはじめた経緯は、犬吠駅で別の業者が売店でいわしの佃煮などを販売していたのであるが、銚子電鉄のぬれ煎餅が有名になったため、「共同で販売しよう」ということが契機のようである。
 銚子は、日本有数のいわしや鰹の水揚げを誇っているため、いわしの鮮度は抜群である。刺身にして食べるのが一番美味い。そのため銚子電鉄で販売されているいわしの佃煮は、素材が良いため薄口醤油で煮ているため、関西人の筆者の口に合う。
 関西は薄口醤油の文化圏だが、いわしの鮮度が悪いため、生姜やネギ、梅干しを入れて臭みを消すと同時に、濃い口醤油で煮るのである。そのため味が辛くなってしまう。関東の人が関西を訪問した際、「何故、関西であるにも関わらずいわしの佃煮などは辛いのだろうか」と疑問に感じた人は多いと思うが、以上のような理由からである。
 
 銚子電鉄のいわしの佃煮は、素材を極力活かし、風味づけに生姜と砂糖を加えて煮ている。使用する生姜も四国産(高知県産)であるため、純国産である。筆者も銚子電鉄のいわしの佃煮と日本酒やビールで頂くことが好きである。
 関西の方々も、インターネットでも購入できるため、是非とも銚子電鉄のいわしの佃煮を購入して食べられることをお薦めしたい。1人暮らしの男性にとれば、青魚を食べる機会が少ないため、銚子電鉄のいわしの佃煮は貴重である。いわしには、EPADHAなどの血液さらさら成分が入っているため、老化防止にも役立つ。何といっても純国産の素材で作られているため、安心して食べられることが最大の強みである。
 車両や設備更新が円滑に進むように、鉄道ファンの方々もインターネットで、銚子電鉄の食品を購入して頂けると幸甚である。

PS:銚子電鉄の竹本社長は、東日本大震の影響で利用者が大きく落ち込んでおり、自主再建を諦め、千葉県や銚子市に支援を要請した。2006年の内山社長の1億円横領事件が大きく影響していることも事実です。
 それでもぬれ煎餅を販売するなどを行い、地域の足を守るために頑張られました。

 銚子電鉄のために、ぬれ煎餅を買って上げて下さい。
 宜しくお願い致します。