今では珍しい「北斗星」の開放型B寝台車を利用した現状

 
 先日、上野から札幌まで久々に寝台特急北斗星」を利用した。金曜日であったこともあり、開放型寝台車に若干の空席があった以外は、ほぼ満席だった。「北斗星」もデビューから25年以上経過するため、車両の乗り心地の面では、「カシオペア」には及ばないが、高い利用率を誇っている。筆者が乗車した1号車は、オリジナルな開放型B寝台車ではなく、「トワイライトエクスプレス」に連結されているBコンパートメント風に改造されていた。また幸か不幸か2時間近く遅れたが、函館からスーパー北斗に乗り換える人は、少なかった。そのため「北斗星」も、列車が遅れた場合は、得をしたような気分になる列車である。
 「北斗星」の今後であるが、「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」と同様に、2015年の北海道新幹線の新函館開業が大きな転機になるかもしれない。まだJRは、これら3列車について「未定」としているが、青函トンネル内では貨物列車も通過する関係上、140km/hに最高速度が制限される。
 そうであれば筆者としては「北斗星」も新型車両を開発して、存続させるべきだと思う。
 昨今、格安航空会社が台頭してきているが、これらは効率良く人を大量に詰め込んで輸送する移動手段である。機内サービスは極力廃止されており、機内誌すら備わっていないため面白味に欠ける。その点、寝台特急北斗星」「トワイライトエクスプレス」「カシオペア」には、ロビーカーや食堂車、シャワールームもあるため、ゆとりのある旅が楽しめる。
 上野から札幌まで16時間(筆者が利用した時は18時間)も要するが、乗車していて退屈に感じることはない。やはり函館山大沼公園駒ヶ岳昭和新山樽前山が見えたりと、景色を見ながらの旅が楽しいためである。
 「北斗星」「トワイライトエクスプレス」「カシオペア」のような列車は、新幹線とは別の意味でも日本を代表する列車である。それゆえ今後も大切に守り、育てて行くべきだろう。