枚方LRT推進会で中川(大)教授の講演を聴きました

 5/26に枚方LRT主催で、ラポール枚方の大研修室において、京都大学大学院教授の中川(大)先生による「都市交通政策の新しい潮流とLRT」という講演を聴く機会を得た。
 中川先生の講演は、何時も印象に残る言葉が
多い。今回も以下のような言葉が印象に残った。

①「コンパクト化」とは、集落が形成されている所は、その集落を維持していくこと。
②公共交通空白地域とは、昔は公共交通が存在したが、その後、廃止された地域
 中川先生は、「最初から公共交通が無かった地域は、公共交通空白地域ではない」と定義され、「このような地域にまで公共交通を整備することは、税金の無駄である」とおっしゃられた。
 但し大都市内では、道路の幅員が狭くて路線バスが設定出来なかった地域もあり、「公共交通空白地域」を述べる場合、僻地と大都市内の細街路が多い地域は、分けて考える必要があるように感じた。

③地方の商店街では、道路に白線を敷くと、歩行者は外側を歩かなければならなくなり、返って商店街が寂れる。
④商店街の道路を拡幅すると、商店街の売り上げが下がることは認識していた。中川先生は、道路交通法では横断歩道の無い所であっても、道路を渡っては駄目と定められていない。しかし渡れない。

LRTは、本気でやる気になれば3年で完成する。事実、富山は実施した。

トランジットモール化よりも、歩行者化
⑦バスによるトランジットモールは、あまり成功しない。
 路線電車であれば、線路内よりはみ出すことはないが、バスは障害物があると急ハンドルなどを切るため。

⑧大型商業施設が人気があるのは、駐車場だけではない。既存の商店主たちは、勘違いしている。それは快適な歩行空間があるためだ。

⑨従来の駅前広場は、クルマのために使われてきた。これからは歩行者導線が大切である。枚方駅の南口は、歩行者導線が悪い。ペデストリアンデッキとして人を上に上げるが、下は車のためだけのデッドスペースになる。また橋脚の橋げたが、スペースを無駄にしている。

 そう考えるとJR立川駅北口などは、完全に人間を2階に上げる構造になっており、自動車を円滑に流す構造である。駅前広場ではなく、自動車のロータリーになっている。

中川先生の基調講演は、大変勉強になります。他の場所で行われる講演も積極的に参加したいと思いました。